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技術解説


フレーム問題


フレーム問題とは、「限られた処理能力しかない人工知能は、現実に起こりうる問題すべてに対処することができない問題」のことです。
1969年に人工知能研究者のJohn McCarthyとPatrick J. Hayesが提唱した概念で、現在でも解決していない問題であるとの見方が一般的です。
これは現実世界の問題を解決するためには無限の可能性があるため、枠(フレーム)を当てはめて関係ないことを除外する必要がありますが、どこがフレームの中(関係ある事柄)でどこがフレームの外(関係ない事柄)かを判断することができないので、関係ないことを除外できないという一種のパラドックスになっています。
この問題を解決しない限り人工知能は完成しないというのがこのフレーム問題での結論です。
台湾で2020年6月1日、テスラの半自動運転機能「オートパイロット」をオンにしたクルマが、高速道路で横転したトラックに衝突するという事故が起きました。
つまり、トラックが横転していたので、障害物であると認識できなかったのです。
トラックを始めとする様々な車を障害物としてラーニングしていたと思われますが、
横転したトラックはフレームの外だったわけです。
横転したトラックをフレーム内と認識できるようになったとしても、
また新たなフレーム外のものに遭遇する可能性はあります。
鉄腕アトムやドラえもんのようなAIが誕生するにはまだまだ時間が必要です。


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